Kenko TELEPLUS HD DGX 2.0X (撮影編)

 今回は前回の続きで「Kenko TELEPLUS HD DGX 2.0X」の2倍のテレコンを購入し、撮影した事について書きたいと思います。やはり簡単には焦点距離2倍で使えません。

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はじめに

 このテレコンを使って野鳥撮影に出掛けた訳ですが、撮影に使用したレンズは「TAMRON SP 70-300mm F4-5.6 Di VC USD A005N」の望遠レンズで、設定は、絞り優先モード、絞りは開放のf/11、測光モード スポット測光、ISO感度自動、最低シャッター速度 1/500秒で、MFの手持ち撮影です。

測光モード

 今回は測光モードをスポット測光で撮影しましたが、野鳥撮影には向いてないと思います。スポット測光ならではの失敗例と修正後の写真を以下に掲載します。

 まずカワウですが、カワウは見ての通り体が黒いです。その為、カメラが暗いと判断し、明るくするためシャッタースピードを遅くしたりISO感度を上げたりするのです。その結果、以下のように全体が明るい写真になります。特に奥の水面が明るすぎます。羽根の模様はよく見えるようにはなるんですけどね。シャッタースピードが遅くなるとブレの原因になりますからね。

カワウ 明るくなる

カワウ 編集後

 次にダイサギです。ダイサギはカワウとは真逆で体が白いです。その為、今度はカメラが明るいと判断し、全体が暗くなるのです。まるで夜みたいです。この場合はシャッタースピードが上がるため、後で編集すれば、ある程度は見られる写真になります。下図は前回の記事で掲載したものの修正前です。

ダイサギ 暗くなる

ダイサギ 編集後

 明るさを調整するのは、撮影モードによって項目が変わるのですが、シャッタースピードだったりISO感度だったりF値だったりします。どの項目も野鳥撮影ではあまり上がって欲しくない項目です。その為、野鳥撮影の場合、測光モードはマルチパターン測光の方が向いていると思うのです。スポット測光は、高いところの花などを下から上へ撮るとき、影になって暗くなる場合などには有効だと思います。それでも花の色によってはうまくいかないことも有りますけどね。桜なんかは色が白っぽいため、明るいと判断して暗くなったりしますからね。

ピント合わせ

 このテレコンを着けるとF値が二段分暗くなるため、f/5.6ではf/11になり、AFが効かなくなります。その為、MFでピントを合わせる訳ですが、これが中々難しいです。前回の記事で掲載した案内板ですが、静止している被写体でもピントがずれてしまいました。この辺は練習してうまくなるか、保険で何枚も撮るしかないです。今回ので4枚撮影し、1枚下図の様にピントが大きく外れてました。

案内板 ピントずれ

 次に、焦点距離300mmでテレコンを着けると焦点距離600mmになる訳ですが、通常の焦点距離600mmのレンズは重くなるため三脚座が付いていて、三脚を使用して撮影すること前提みたいな感じなのですが、テレコンを使って焦点距離600mmにした場合、それ程重くないため、手持ちでも苦にならない重さなのです。その為、ついつい手持ちで撮影したくなりますが、やはり焦点距離600mmで遠くの小さな被写体を捉えるのは難しく、さらにピント合わせもマニュアルなので、ブレとピントとの戦いになります。素直に三脚を使えば良いのですが、テレコン装着の場合、レンズに三脚座がないため、どうしてもブレやすくなります。なにより、一カ所で撮影するなら三脚での撮影でも良いですが、川みたいに移動しながらの撮影だと荷物になりますからね。

 ピント合わせについて、なかなか合わなかった様子の写真を掲載したいと思います。まずは山の斜面の花を狙った写真なのですが、ピントが合ってるかどうかわかりづらいため、難しかったです。後から気がついたのですが、フォーカスエイドを利用すれば良かったんですよね。それでも被写体が細かいとうまく機能しないこともあるため、結局、目で見て判断するしかないんですけどね。

山の斜面

 ついでに、花が散り始め、葉が出てきたソメイヨシノです。このへんはアップにしない限り、ピントがずれてるかどうかわからないです。

ソメイヨシノ

 そして土手の菜の花です。これは焦点距離140mm(レンズのワイド端70mm)で撮影し、大体があってればどこかにピントが合うだろう!という安易な考えで撮ったものです。一応、大体狙ったところにピントが合ってました。

菜の花

 次にハクセキレイを狙ったときの写真です。なかなかハクセキレイにピントが合わず、前後の草にピントが合ってしまっているのがわかると思います。まずは手前にピントが合った写真です。

ハクセキレイ 前ピン

 今度は後ろにピントが合った写真です。

ハクセキレイ 後ピン

 今度は画面のすぐ手前にピントが合った写真です。

ハクセキレイ すぐ手前にピント

 やっと合ったと思ったらハクセキレイが向こうを向いてました。

ハクセキレイ ジャスピン

 そして手ブレです。

ハクセキレイ 手ブレ

 こんな感じでかなりピント合わせが難しいです。被写体がじっとしていてくれれば良いのですが、ハクセキレイなんかはチョロチョロと動きますからね。

まとめ

 なんだかんだ言っても焦点距離が2倍になるのは魅力です。テレコンを使うかどうかは、以下の項目に納得出来れば良いのではないかと個人的に思います。

  • ピント合わせは手動で行う
  • 撮影した写真はトリミングはほとんど行わずにそのまま使用する
  • 三脚や一脚を使用するかシャッタースピードを上げてブレを防ぐ
  • レンズに手ブレ補正が付いていても過信せずブレ対策をする
  • とにかく枚数を撮る(下手な鉄砲も数打ちゃ当たる的な)

 以上の項目を割り切って使えるならテレコン使用は有りだと思います。最初の項目はそのままで、マニュアルフォーカスが苦にならなければ良い。2番目は、等倍だと甘さが目立つので、撮った写真を完成とするくらいの気持ちで。3番目は、焦点距離が2倍になるため、どうしてもブレが大きくなるから。4番目は、手ブレ補正はあくまで補助的なものなので、あまり期待せずに自力で解決するくらいの気持ちで。5番目は、デジタルなのでドンドン撮って、ダメな写真は削除すれば良いだけですからね。決定的瞬間はどうしようもないですが、撮れるものはドンドン撮りましょう!

 個人的には、いかにも自分の力で撮影しているという感じが強いため、失敗写真を量産しても、その中に一枚でも良い写真があれば十分満足出来ます。高い機材を使って良い写真を撮るのも良いですが、苦労するのも良いもんですよ!もちろん高い機材を使って苦労すればもっと良いんですが・・・。練習すれば成功率を上げることが出来ますからね。実際、私も一日の中で、最初の方は失敗が多かったですが、最後の方はかなり失敗が少なかったです。

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