Kenko TELEPLUS HD DGX 2.0X (購入編)

 今回は前回と同様のテレコンについてですが、解像力が150%アップした倍率が2倍の「Kenko TELEPLUS HD DGX 2.0X」について書いてみたいと思います。Amazonで新品を購入しました。

はじめに

 最初は丁度、中古が出ていたので、それを購入しようと思っていたのですが、悩んでいる間に売れてしまい、なかなか中古が出てきそうになかったため新品で購入しました。1.4倍にするか2倍にするか悩んだんですよね。1.4倍は前回書いたように前のモデルを持っていたため、今度は2倍に挑戦してみようと思った訳です。

スペック

 このテレプラスは、前モデルのMC7から150%の解像力アップで、広角から200mmまでの望遠レンズに対応ということですが、普通に300mmでも使えます。ただし、200mmを超えるとAFはまともに機能しないため、MFでの使用になります。絞りが2段分落ちるため、f/5.6がf/11になるので相当暗くなります。焦点距離70-300mmの望遠レンズだと140-600mmとなり、APS-Cだと35mm換算で210-900mmとなり、超望遠ズームになります!

 このモデルからDレンズなどのボディー内モーターでのAF駆動が出来なくなりました。単純にモーター駆動用のシャフトが実装されなかっただけなんですけどね。もう古いレンズは見捨てるということなんでしょうね。試しにDレンズを付けて見たところ、カメラ側でエラーになり、MFでシャッターを切ることも出来ませんでした。撮影モードを変えてもダメなので、どうやっても使えそうにないです。

 このモデルも前モデル同様、CPU内蔵なのでExifに正確な焦点距離が記録されます。下図の様にレンズ名に70-300mmと記録され、レンズの焦点距離が300mmのとき、Exifでは2倍の600mmと記録されます。

Exif情報 焦点距離

Exif情報の焦点距離

使用してみて

 手元に届いて家で試したところ、家の中は暗いからか、望遠レンズを着けて300mmでAFを使うと、合焦位置の前後をすごい勢いでカタカタと動き、壊れそうなのですぐ止めました。本来、使えるはずのNikon Micro 40mm f/2.8でさえ同じ状況でした。f/2.8だとf/5.6になり、キットレンズなどと同じはずなのに、何故かAFがうまく作動しませんでした。少し明るい場所へ行くと問題なく作動するんですけどね。やはりAFの効きは問題が有りそうです。

実写

 どんなものか試すため、瀬野川の中流付近へ撮影に行ってみました。やはり外の明るい場所でも300mmではAFがうまく機能しませんでした。試しにレンズの焦点距離を70mmに合わせてみると、AFは問題なく作動しました。焦点距離がどこまでならAFが正常に作動するかは試しませんでしたが、いずれにしても短い焦点距離では使わないため、諦めて常にMFでやることにしました。せめて150mm以上で使わないとテレコンの意味がないですからね。600mmの単焦点レンズだと思って使います!

 今回の撮影は「TAMRON SP 70-300mm F4-5.6 Di VC USD A005N」と組み合わせての手持ち撮影です。設定は、絞りは開放のf/11、露出補正-0.7、絞り優先モード、スポット測光、ISO感度自動で最低シャッター速度を1/500秒で撮影してみました。個人的には測光モード以外、これがベストな設定だと思います。測光モードは次回、詳細を書きますが、マルチパターン測光が良さそうです。

 野鳥撮影のベストな設定について調べてみると、シャッタースピード優先が良いとか、マニュアルが良いとか色々書かれていますが、すべてに共通するのがシャッタースピードを早くするということです。この件に関しては後日また詳しく書きたいと思います。

 一般的にテレコンを使うと画質が甘くなると言われるため、どの程度の解像度か被写体の動かない案内板を撮ってみました。画質が甘いのか手ブレなのか、ちょっと文字の境が怪しい感じです。

日下橋 案内板

日下橋の案内板

日下橋 案内板 等倍

日下橋の案内板 等倍

 しばらくいろいろ撮影した後、もう一度違う案内板を撮ってみました。今度のは少し遠くの案内板を撮ったため小さく写っていますが、等倍にしてもそれなりに写っているような気がします。少し慣れてきたんですかね?それでもやや微妙?

安芸中野駅 案内板

安芸中野駅の案内板

安芸中野駅 案内板 等倍

安芸中野駅の案内板 等倍

 今回はとりあえず焦点距離600mmでトリミング無しの作例だけをずらっと掲載してみます。いろいろ詳しい説明は次回の記事で書きたいと思います。いろいろ書きたいことがあるもので。

 まずは川の中洲に集まっていた外来種のアカミミガメです。ここもこんなに繁殖しています。これでもごく一部しか写ってなくて、他にもすぐ側に沢山居ます。

アカミミガメ

アカミミガメ

 次は定番のカルガモです。さすがに体長が大きくて近くまで寄ってくるため、600mmで撮るとこんなにドアップになってしまいます。

カルガモ

カルガモ

 ちょうど空をヘリコプターが飛んでいたので撮ってみました。

ヘリコプター

ヘリコプター

 今までは体長が小さくて遠くに居たため、なかなかうまく撮れなかったカイツブリです。さすが600mmだけあってここまで写すことが出来ました。

カイツブリ

カイツブリ

 これもよく見掛けるハクセキレイです。小さくてチョロチョロ動くため、ピントを合わせるのが大変でした。

ハクセキレイ

ハクセキレイ

 そしてカワセミです!今回は木の陰に入ってしまい、ダイブや飛翔もしなかったです。相変わらず小さくにしか写せません。焦点距離600mmを持ってしてもこの程度の大きさです。まぁ居た場所が遠かったんですけどね。

カワセミ

カワセミ

 ヌートリアも岸の凹みに入り込んで寝ていました。枝の奥に居たため、AFだとなかなかピントが合わないパターンですが、MFなのでなんとかピントを合わせられました。それにしても凄い前歯です。

ヌートリア

ヌートリア

 身近だけど中々近づけないスズメです。体は向こうを向いていますが、顔はこちらを向いているという奇妙な瞬間です。

スズメ

スズメ

 この鳥もチョロチョロと動くため撮りにくいムクドリです。

ムクドリ

ムクドリ

 最後は体長が大きいダイサギです。少し距離はありましたが、体長の大きさでこの程度まで大きく撮れました。

ダイサギ

ダイサギ

まとめ

 今回はテレコンについてと、作例をいくつか掲載しただけですが、いろいろと書きたいことがあるため、二回に分けたいと思います。とりあえず今回、掲載した写真を見てもらえればわかると思いますが、写りは悪くないです。ただし、さすがに焦点距離が600mmの超望遠になるため、簡単にはいきませんでした。MFでピントを合わせるためピンずれ写真を量産したり、遠くの小さな物に照準を合わせるため、手ブレがひどかったり、とにかく慣れるまで大変でした。