以前のブログでも書いた「Opteka アプテカ 6.5mm f/3.5 HD」の魚眼レンズですが、しばらく使ってきて改めて思ったことを書きたいと思います。魚眼レンズは一般的に高価なレンズですが、このOptekaをはじめSAMYANG、最近ではNeewerなどのサードパーティー製が安価に買えるようになってきました。
目次
はじめに
まずは改めて「Opteka アプテカ 6.5mm f/3.5 HD」について軽く説明しておくと、焦点距離が6.5mmの単焦点魚眼レンズで、絞りはf/3.5からf/22までを絞りリングでマニュアル設定します。電磁絞りではないため、絞れば絞っただけファインダー内も暗くなります。電磁絞りはファインダーを覗くときは開放で、シャッターを切るときだけ設定した絞り値になります。
撮影可能最短距離は12インチなので約30cmです。魚眼レンズにしてはあまり寄れないため、犬とかの鼻デカ撮影はちょっと厳しいです。SigmaとかNikonだと15cmとか16cmなので、いかに寄れないかわかると思います。実際にファインダーを覗くとわかるのですが、すぐ目の前のものが遠くに見えるため、30cm先は相当遠く見えます。
上図のように前玉が出っ張っているため、フィルター類は取り付けることが出来ません。レンズキャップもこのままでは取り付けが出来ず、フードを取り付けてそこへ取り付ける形です。フォーカスも絞り同様マニュアルで、フォーカスリングを回してピントを合わせるのですが、ピントが合ってるかどうかファインダーでは凄くわかりづらいです。最短の30cmでもわかりづらいため、目盛を見て大体で合わせるかライブビューで拡大するしかないと思います。購入して最初にピントを合わせようとしたとき、フォーカスリングを回しても全然ピント位置が変わってないような気がして、初期不良じゃないかと思ったくらいピントの山がつかみづらいです。ライブビューで拡大しみてようやくピント位置が動いているのが確認出来るくらいです。なにしろ目の前のものですら凄く小さく見えるため、ボケてるのかピントが合ってるのかわかりづらいのです。景色なんて撮るとさっぱりです。ただ、被写界深度が凄く深いため、それ程シビアではないです。特に景色なんかはPC上でも拡大しなければわからない程です。景色ならf/8くらいまで絞って、目盛を見て大体の位置にフォーカスを合わせとけばあとはパンフォーカスで撮れます。
上図のように魚眼レンズらしくフードがかなり薄いです。360度写るので、四角に切り取る部分くらいしか覆わないようになってます。上下が少し出ているくらいです。実際に撮影すると、正面を向いても自分の足が写り込んでしまうくらいですからね。
焦点距離についてですが、以前の記事で広角ズームのNikon AF-P DX 10-20mmとの比較をしたとき、6.5mmじゃないんじゃないかということを書きましたが、やはりSamyangとかNeewerと同じで8mmじゃないかと個人的には思います。
安い理由
これらの安価な魚眼レンズには安い理由が有って、一応金属マウントですが、前述した通り、電気接点を持たないフルマニュアルであることです。なのでボディーによってはMモードでしか使えないため、露出も自分で設定しなければいけません。D5100では何度か試し撮りをして露出を合わせてましたからね。D7100ではAモード(絞り優先)でも使えて、露出も自動でやってくれるので凄く楽になりました。レビューを見るとD7000系でもMモードでしか使えないというのが有りましたが、ひょっとしたらレンズ登録していないんじゃないかと思います。私はレンズ登録しましたからね。Exif情報にも登録した焦点距離と絞り値が記録されています。といっても絞り値は撮影時の絞り値ではなく、登録した絞り値しか表示されないため、どれだけ絞って撮ったのかわからないのはちょっと不便です。
コーティング
次に問題なのがレンズのコーティングです。コーティングの善し悪しでフレアやゴースの出方が全然違います。ニコンのナノクリスタルコートなんかは当然優秀ですが価格もそれなりに高騰します。TamronやSigmaなんかも最近は優秀なコーティングがされてますが、その分価格も高くなってきました・・・。安いレンズでこういったコーティングがされてないレンズの場合、kenkoなんかの優秀なコーティングがされたフィルターを付ければ問題は解決するのですが、そのフィルターがまた高い!フィルター径にもよりますが、フィルターとセットで買うとワンランク上のレンズが買えてしまうくらいです。
ゴースト
それはともかく、この魚眼レンズは前玉の形を見てわかる通りフィルターが付きません。その為、フィルターで何とかするということも出来ないのです。現場でハレ切りをしようとしても、魚眼なのでどうしても写り込んでしまうのです。さらにその前玉の形故、光が当たる率も高いのです。結局、撮るときに光の様子を見ながら撮影しなければいけなくなります。こういうアングルで撮りたいのにゴーストが出てしまう、という場面が何度も有りました。まぁこれもある程度妥協して撮れば良いんですけどね。ゴーストも演出の一部として受け入れるとか。テレビなんかを見ていると、結構ゴーストが写り込む場面が有りますからね。日差しの強さを表わしてる感じが良いという人も居ます。でもまぁこのレンズのゴーストはあまり綺麗じゃないんですよね・・・。ということでその画像です。
下側に見事にゴーストが出ています。しかもこの画像は左上にカーブミラーが写り込んでしまいました。ファインダーを覗いていてもはっきりわかりますからね。演出を超えて結構邪魔です。しかし、ちょっと向きを変えると出なくなる角度があるため、工夫次第ですね。その例が下図で、桜の木の形を見てわかる通り、同じ位置からの撮影ですが、ちょっと向きを変えただけでゴーストが消えます。左上のカーブミラーを見るとよくわかるかも。
対光性能
しかし、おもいっきり太陽を入れると、下図の様に露出は太陽に引っ張られますが、ゴーストは出ないんでよね。意外とこれはこれで良い写真だったり。やはり光の当たる角度によって出たりするんでしょうね。魚眼は前玉が丸い分、悪い角度で光が当たる確率が高いんでしょうね。
上図の画像は全体的に暗いですが、ViewNX-iなどの編集ソフトでシャドーを上げてやれば、下図の様にある程度見られる画像にすることが出来ます。太陽の光芒が消えない程度にギリギリ明るくするのがコツです。
まとめ
以上、「Opteka アプテカ 6.5mm f/3.5 HD」をしばらく使ってみて、色々わかったことについて書いてみました。まぁでもこの辺をちゃんと理解して、うまく撮影していけば、この価格でこの写りなら文句なしですよね。特に最近はNEEWER製の魚眼が一万円台という破格の値段で売ってますからね。さらに、D7100に取り付けるとAモードでも使え、露出も自動で設定してくれるため、さらに使いやすくなりました。今までのD5100だと、Mモード以外は「レンズ未装着」と表示され、シャッターを切ることすら出来なかったですからね。Mモードで何度か撮影しながら適正シャッタースピードを探るという作業が要らなくなったんですから。今まではまさに完全マニュアルでした!w