前回に続き、グルグルボケで有名なロシアレンズのHELIOS-44-2 2/58で撮影した事について書いていきます。今回は屋外で撮影した写真を掲載していきたいと思います。
目次
はじめに
撮影に使用した機材はNikon D7100で、M42マウントアダプターは補正レンズ有りと補正レンズ無しのふたつを使用してHELIOSを取り付けました。今回の撮影はふたつの失敗をしたまま撮影してしまいました。ひとつは露出補正を+0.7のままずっと撮影していて、もうひとつは前回の記事で書いた絞り値の設定ミスです。露出補正は、ただでさえ白っぽく写ると言われているこのレンズで、+側へ露出を補正していたのは痛いかと。撮影しているときにカメラのディスプレイを見ると、これがこのレンズの特徴か!くらいにしか思わなかったのが失敗でした。現場で露出補正を一度もしなかったのも気付かなかった原因です。絞り値の設定ミスは、前回の記事にも書いた通り、操作方法を理解しないまま撮影に出掛けたことが原因です。とにかくグルグルボケを撮ってみたくて、あせってしまったのがいけなかったです。
マウントアダプターの比較
まずはマウントアダプターの違いによる写りの違いです。川の向こうの景色を撮って比較しようと思ったのですが、補正レンズ無しでは無限遠どころか数メートル先にすらピントが合わず、比較出来ませんでした。一応、フォーカスリングを∞に合わせたときの写真を掲載します。
一応、写る範囲が違うくらいはわかりますが、補正レンズ無しでは何が写っているかすらわかりません。補正レンズ有りの写真があるからわかる程度です。
補正レンズ無しでどこまでピントが合うか試したところ、絞り開放だと2メートルくらいで、絞ればもう少し距離は伸びますが、それでも3メートルくらいが限界でした。その為、ほとんど補正レンズ有りで撮影してしまいました。
このレンズ特有のものなのか、補正レンズによるものなのかわかりませんが、遠くを撮ると全体的にボケたような白っぽいような感じに写り、思わず目をこすりたくなるような仕上がりになります。ファインダーで見るとそうでもないんですけどね。
グルグルボケ
今回はとにかくグルグルボケを写したくて、そればかり狙って撮影しました。その為、あまりレンズの作例と呼べるようなのは無かったです。まぁグルグルボケが魅力のレンズなので、それが大事なのかもしれないですけどね。
まずは手前の夾竹桃にピントを合わせて、向こう側にパイプの施設?を撮ったものです。恐らく補正レンズ有りの絞り開放で撮ったものです。手前の夾竹桃にはしっかりピントが合い、奥はほどよくボケています。
同じ条件で夾竹桃の花をアップで撮ったものです。意外と近くのものはしっかり写ります。
次は手前の夾竹桃にピントを合わせ、奥側にバブルボケを狙った写真です。やはりこのレンズはこのバブルボケといわれるボケが良いです!恐らく補正レンズ無しの絞り開放で撮ったものです。その下も続けて撮ったもので、アゲハチョウが飛んでいたのを撮りました。ちょっと離れるとピントを合わせられなくなるので、近づいた時を狙って撮りました。
これも上二枚と同じ条件で、夾竹桃の木全体を撮ろうとしたら、ピントが合わせられずボケてしまった写真です。意外とグルグルボケっぽく写っていたので掲載してみました。
そして今回の撮影で一番グルグルボケが写ったのではないかと思うのがこれです。もう単純にグルグルボケだけを狙った写真です。
星ボケ
以前の記事で書いた自作のボケフィルターを使って撮影してみました。このレンズはフィルター径が49mmなので、片手でレンズにボケフィルターを押し当てながら撮影しました。
まずは星ボケです。ボケの大きさをフォーカスリングを回して調整しながら撮影しました。あまり大きすぎるのも変なので、これくらいが丁度いいのかなぁと。よく見ると星の形になっているくらいですね。一枚目は比較のため、何も無しでそのまま撮ったものです。やはりボケフィルターを使った方は、絞りを絞ったような写真になります。この二枚はマウントアダプターが違うかも・・・。
次に場所を移動して星ボケと魚ボケです。こちらも適当な大きさを探りながら撮ってみました。もうボケだけを狙ってます!w
作例
ここでちょっと作例的なものをいくつか掲載します。
まずは手前のフェンスにピントを合わせてボケを狙ったもの。あまりグルグルになりません。バブルボケは見事なんですけどね。
近くにダイサギがいたので撮ってみました。なんかピンボケで奥側にピントが合っているような・・・。ファインダーでの目視と、フォーカスエイドを使ってピントを合わせているんですけどね。
ちょっと離れた場所の橋を撮ってみました。かなり白っぽくボケたような感じに写ります。もう少し絞ればキリッとするんですかね?はじめに書いた通り、絞り操作を失敗してたもので・・・。この時も、ファインダーで覗いたときはきちんと橋にピントが合ってたんですけどね。
まとめ
今回は露出補正を+0.7にしたまま撮影してしまい、本来の写りではないかもしれませんが、ある程度離れたところを撮影すると、全体的にちょっとボケた感じに写りました。今時のレンズのくっきりとはほど遠い感じです。だからといって近くのものもそう写るかというそうでもなく、意外とくっきり写るのです。丁度、補正レンズ無しで撮影出来る範囲がくっきり写り、それ以上になるとボケてくるような感じです。これがHELIOSの写りなのか、マウントアダプターの補正レンズのせいなのかはわかりませんが、あまり遠くを撮るもんじゃないのかもしれないと思いました。別メーカーのカメラで試せばわかるのかもしれませんが、持ってないので試しようがないです・・・。
撮影して家に帰ってPCで見ると、遠景を撮影したものが結構ボケていたのに驚きました。ファインダーで見ると割ときちんと見えていたのですが、写真になるとボケているのです。デジタル対応じゃないから?とも思ったのですが、Sigmaの105mmマクロはきちんと写りますからね。
このレンズの焦点距離は58mmで、APS-C機で使うと1.5倍の87mmの中望遠になり、補正レンズ付きのマウントアダプターを使うとさらに1.2倍の104mmとなるため、意外と使い勝手が良くなかったりします。ばっと肉眼で見て、ファインダーを覗くとかなり大きく写るって感じですからね。
電子接点のないレンズなので、Exifに情報が記載されないのも痛いです。全ての状況を憶えていれば良いのですが、なかなかそうもいかず、写真を見みてもどういう状況でどういう設定で撮ったかわからないのです。ここでマウントアダプターを変えたような気がする程度ですからね。
結局のところ、補正レンズ無しのマウントアダプターを使い、それでピントが合う範囲のものだけ撮るという使い方が良いのかなぁって感じです。その方がグルグルボケにも良いですからね。
今回の撮影でフルサイズ機が欲しくなりました。フルサイズ機で撮るとグルグルボケはもっと綺麗に出るはずですからね。このためだけに買うのもなんですが・・・。
ボケの出し方は、絞りを開放にして、光源じゃなくても明暗の差があるところにピントが合ってない状態ならボケる事がわかりました。夾竹桃の木の全体像を撮ったように。今回は散々ボケにこだわって撮影したので、ボケについて少しは上達したのかなぁと。