Kenko TELEPLUS MC4 DGX for Nikon

 今回は「Kenko TELEPLUS MC4 DGX for Nikon」の1.4倍テレコンについてです。このテレコンは随分前に中古で購入していて、野鳥撮影をしているとき、近くの鳥ほど綺麗に撮れていることから、テレコンで大きく写せば綺麗に写るかも?という事で、テレコンを持っていることを思い出し、持ち出して野鳥撮影したことについて書いていきたいと思います。

はじめに

 この「Kenko TELEPLUS MC4 DGX for Nikon」は、5年も前に中古をソフマップで4,980円で購入したもので、購入動機は覚えていません。2013年の3月に購入しているので、以前のブログを始める前なんですよね。それはともかく、このテレコンは、レンズの焦点距離を1.4倍にするもので、300mmなら420mmになる訳です。しかし、単純に焦点距離が伸びるだけではなく、余分なレンズが増える分、画質の低下があります。テレコン無しでクロップした方が画質が良いという意見も結構有ります。しかし、ファインダーを覗いて遠くのものが大きく見えるというのは憧れます。焦点距離の長いレンズが買えれば一番良いのですが、300mmを超えると一気に高額になるため、安価に焦点距離を伸ばす事が出来るテレコンは貧乏人の味方だったりします。テレコンもNikon純正になると結構な値段はしますけどね。

スペック

 このKenko製のテレコンは、レンズを選ばず使えるため、汎用性は高いです。NikonやSigmaのテレコンは使えるレンズが限られているのです。Sigmaのテレコンなんかはレンズが飛び出しているため、物理的に装着不可なレンズが多かったりします。このテレコンはCPU内蔵で、カメラ側に1.4倍した焦点距離情報が送られるため、Exifにきちんと1.4倍された焦点距離が記録されます。自動絞りにも対応しているし、Dレンズのようなボディー内モーターでの駆動も出来るようになっています。当然G/Eレンズでのオートフォーカスも可能です。超音波モーターでもステッピングモーターでも可能です。このテレコンは焦点距離50mmのレンズで使用することを基準に作られているようで、焦点距離300mm用は別に有ります。しかし、最適化されてないってだけで使えないことはないです。私はこれを70-300mmとかで使ってます。

メリット/デメリット

 テレコンを使う上でのメリットは、当然、焦点距離が伸びることですが、それ以上にデメリットがあります。まずは絞りが一段分暗くなるため、f/5.6がf/8になり、エントリーモデルのボディでは理論上AFが効かなくなり、D7100でも中央一点のみAFが可能となります。最近の上位モデルならもっと多くの位置でAFが可能です。理論上と書きましたが、実際は明るい場所なら迷うことも多々有りますがAFは可能です。使用方法は、テレコンをレンズに着けた後、レンズと一緒にボディーに着けます。先にテレコンだけをボディーに着けると、誤認識する可能性が有ったり、レンズやボディーを壊してしまう可能性も有ります。

実写

 実際に撮影した画像を掲載します。レンズは「SIGMA 70-300mm F4-5.6 DG MACRO モーター内蔵」を使い、設定は、手ブレ補正の無いレンズで開放でもf/8と暗いため、シャッタースピードを上げるため、開放のf/8でISO 800まで上げてみました。ここで失敗談なのですが、この日は桜を撮りに行った日で、上向きに桜を撮るとき+側に露出補正をして、気付かずにそのまま撮影してしまったため、全体的に明るくなりすぎてしまいました。シャッタースピードを上げたいのに、シャッタースピードが落ちる設定になっていた訳です。その為、掲載する画像は露出を-側に調整しています。なのでちょっと不自然なところが有るかも・・・。すべてトリミング無しの画像です。

 まずはカワウです。ただでさえ体色が黒で明るくなりやすいのに、露出補正でさらに明るくなってしまいました。おかげで羽根の模様はよく見えましたけどね。

Kenko MC4 カワウ

Kenko MC4 カワウ

 次は定番のカルガモです。カルガモは体もそこそこ大きく、近くに寄ってくることも有るため、あまりテレコンの恩恵はないかもしれませんが、比較のために撮ってみました。

Kenko MC4 カルガモ

Kenko MC4 カルガモ

 ここで変わりネタとしてツクシをマクロモードで撮ってみました。ハーフマクロの1.4倍なので、1:2が1:1.4くらいになるので、等倍の1:1により近くなります。焦点距離420mmで手ブレ補正無しなので、手持ちのマクロ撮影で小さなツクシに焦点を当てるのはかなり難しいです。何度も撮り直しましたからね。

Kenko MC4 ツクシ

Kenko MC4 ツクシ

 次は泳いでいるヌートリアです。結構離れた場所を泳いでいたのですが、ここまでアップで撮ることが出来ました。

Kenko MC4 ヌートリア

Kenko MC4 ヌートリア

 次は割と近くに居たハクセキレイです。ハクセキレイは小さな鳥ですが、近くに居て焦点距離420mmなので、かなり大きく捉えることが出来たのですが、体色が黒っぽいため、かなり明るく写ってしまいました。露出補正を-3くらいまでやらないと正常になりませんでした。

Kenko MC4 ハクセキレイ

Kenko MC4 ハクセキレイ

 上図は補正した画像ですが、補正無しだと下図の様にかなり明るかったです。+側に露出補正してたにしても明るすぎでしょ?

Kenko MC4 ハクセキレイ 補正無し

Kenko MC4 ハクセキレイ 補正無し

 次はヒドリガモです。ヒドリガモも割と近くに居たので大きく写せました。羽根の模様がよくわかります。この辺はあまり明るくならなかったんですよね。

Kenko MC4 ヒドリガモ

Kenko MC4 ヒドリガモ

 次はダイサギです。ちょうど捕食シーンを撮ることが出来ました。ダイサギは体長が大きく焦点距離420mmでも、ダイサギまでの距離があったため、それほど大きくは写せませんでした。かろうじて魚を咥えているのがわかる程度です。

Kenko MC4 ダイサギ 捕食

Kenko MC4 ダイサギの捕食

Kenko MC4 ダイサギ 捕食

Kenko MC4 ダイサギの捕食

Kenko MC4 ダイサギ 捕食

Kenko MC4 ダイサギの捕食

 最後にウォーキングコースとして舗装された場所にムクドリが居たので撮ってみました。ムクドリも割と体長が小さく、チョロチョロと動くため、撮るのは難しかったです。

Kenko MC4 ムクドリ

Kenko MC4 ムクドリ

まとめ

 焦点距離が1.4倍になるため、手ブレしないようにするのが大変でした。被写体を中央に持って来るのでさえ大変でした。ただでさえ画質が低下するのに、手ブレがあると益々画質が悪くなります。それでもファインダー越しに1.4倍の世界が見られるのは良いものです。暗いと迷うことが多く、露出が突然おかしくなるなど、デメリットもそれなりにありますが、うまく使いこなせば有りなんじゃないかと思います。今回はトリミング無しの画像だけを掲載しましたが、テレコンを使うことにより、トリミング無しでも見られる写真になるのなら、少々画質が甘くなっても良いんじゃないかと個人的には思います。どうしても納得出来ないなら、高いレンズを買えば良いんですからね。高いレンズはやはり写りが別次元です!

 このKenko製のテレコンには解像度が150%になった後継モデルが有り、実は2倍のものを購入してたりします。後継モデルでDレンズが使えなくなったのは残念ですが、解像度が上がったのは嬉しいことです。次回はこの2倍テレコンについて書きたいと思います。