今回はMARUMI製のソフト描写用スポットフィルターについて書きたいと思います。名前だけ見るとどんなフィルターかわかりにくいかもしれませんが、簡単に書くと、ソフトフィルターの真ん中に穴が開いているフィルターです。このフィルターを使うと、ちょっと変わった描写の写真が撮れるんです!
目次
はじめに
このフィルターは72mm径のものを購入したのですが、フィルター径によって中央の穴の大きさも変わるため、ステップアップリングなどを使ってフィルター径の違うレンズに装着しても面白いかもしれません。
現在、MARUMI製のこのフィルターは販売が終了していて、入手するには中古くらいしかないのですが、Kenko製に類似品があるので、そちらを入手するしかなさそうです。価格はMARUMI製の方が安かったんですけどね。と思ったら、Kenko製は販売終了にはなっていませんが、あまり取り扱いがないようで・・・。
撮影機材
撮影した機材はNikon D5100に「SIGMA 17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM」を装着して、このフィルターを取り付けました。被写体は百均のダイソーで購入したバラと多肉植物の造花を合体させたものを撮影します。
撮影条件
撮影時の設定は、絞り値や焦点距離、被写体との距離を変えたりして、写りがどう違ってくるかを見ていきます。ソフトフィルターの真ん中に穴が開いているため、フォーカス位置はセンターのみになります。
実写
まずは焦点距離を70mmに固定して、絞り値を開放のf/4とf/8にして違いを見ます。被写体との距離は割と近めで、花の部分をアップで撮影しました。
やはりf/8まで絞ると折角のボケが少なくなり、ソフトフィルターの効果が薄くなります。開放でも花が大きく写っているとボケ具合があまり良くないですね。花びらの端がちょっと二重になっているくらいです。
次に、焦点距離を17mmに固定して、絞り値を開放のf/2.8とf/8にして違いを見ます。被写体との距離は、前述の焦点距離70mmの時と同じですが、焦点距離が短い分、広範囲が写っています。
焦点距離が短いと、これもあまりソフト効果が得られません。f/8まで絞るとフィルターの穴の開いた丸い部分がそのまま写ってしまい、回りもあまりソフトに写りません。開放だと回りは良い具合にソフトになって花びらも何重かになってはいますが、全体の割合からすると少しだけしか効果が出てない感じです。
次は、焦点距離を70mmに固定して、絞り値は開放のf/4とf/8にするところまでは一番目と同じですが、被写体との距離を少し離してみました。
今回撮影した中ではこの条件が一番フィルターの効果が出ている感じです。絞るとソフト部分とそのまま写る部分との差がハッキリする感じです。開放の場合はソフト部分とそのまま写る部分の境界線がわかりにくく、徐々にソフトになっていく感じに写ります。
まとめ
これだけ色々試しておいてあれなんですが、結局、フィルターを取り付けるレンズ、被写体、焦点距離、絞り値、被写体との距離で随分写りが変わってきます。単純に中心部分だけをくっきり写し、回りをボケさせたいというならそれ程こだわらなくても良いんですけどね。
もう少し被写体の花が大きいと、中央と回りの境界線あたりが万華鏡のようにグルグルとした感じに写ったりするんですけどね。それでも色々試しながらベストを探らなければいけないため、なかなか難しかったりします。
このフィルターは、以前、このブログでも書いた「クリスタルクリアボールを使った面白撮影」のような撮影をするために、中央の穴の部分に球体を取り付けて撮影する人も居るみたいです。「宙玉」というフィルターが有るのですが、それを手作りするという訳です。その場合は、いろいろと手を加えなければいけないんですけどね。その他に、このフィルターは比較的フィルターとしては安いため、フィルター枠が欲しいって人が買って、中のフィルター部分を取り除く人も居るみたいです。かに目レンチがあれば、綺麗にフィルター部分だけ取れる構造になっているのもその理由のひとつみたいです。